神戸市にユーチューブを駆使し法話を続ける僧侶がいます。須磨寺副住職の小池陽人さん(38)です。総再生回数は2100万回を超えました。
小池さんは母方の祖父が須磨寺の住職でしたが、大学を卒業して僧侶になるまでは、仏教とほぼ無関係に暮らしていたそうです。これまでの歩み、多くの人を魅了する法話で心がけていること、さらに仏教の今後などを聞きました。
――僧侶になるときは、悩みましたか?
当初は、民間企業に就職して、その後にお寺に入ることを漠然と考えていたんです。でもそのことをおじ(今の須磨寺住職)に話すと、一喝されたんです。「自分にはいずれお寺があると思うと、企業での何年間かが本気でなくなる。少しでもその気があるなら、すぐ決断しなさい」と。
すごく迷いました。下宿で一人悩みました。そんなとき、母から1冊の本が送られてきたんです。タイトルは「がんばれ仏教!」(上田紀行著)。読み進めると、僧侶の高橋卓志さんが寺を開放し、「地域のハブ」として活動している様子が描かれていたんです。私は大学で「まちづくり」を学び、そうしたことにとても関心がありました。「これが私がやりたいことなんじゃないか」。雷に打たれたような衝撃を受けました。
――大学卒業後、醍醐寺(京都市)での修行はいかがでしたか?
大学時代は徹夜でマージャン…